第2話 「無情のうた」
坂口安吾「明治開化 安吾捕物帖“ああ無情”」より
脚本:會川昇 / 絵コンテ:水島精二 / 演出:末田宜史 / 作画監督:堀川耕一
 

海勝のもとに虎山がまた不可解な事件を持ち込んだ。無認可タクシーが正体不明の女に配達を頼まれ、あるお屋敷を訪ねて、トランクを引き取った。運転手がトランクをあけたところ、トランクの中にあったのは、そのお屋敷の主・投資家の長田久子本人の死体だった。トランクを屋敷の門番に預けたのはこれまた謎の男。海勝は、これはグループの犯罪に見せかけた単独犯の犯行と推理、捜査線上に浮かんだ容疑者・荒巻の捜索が始まる。

その数日後、新十郎は長田久子の娘、長田安と出会う。海勝の推理で浮上した容疑者は、真犯人ではないという安。母・久子はずっと以前から脅迫され、毎月品川のホテルにお金を届けていたという。

脅迫犯について「もしかしたら夜長姫の……」と気になる言葉を漏らす安。夜長姫とは、一世を風靡した国民的アイドル。彼女たちは日本の海外出兵をきっかけとする報復テロに対し、徹底抗戦を歌った“戦時下”のカリスマだった。だが終戦後は、その内容故に彼女たちの歌は、検察庁連合調整部によって放送・発売禁止となっていた。

謎の殺人と放送禁止アイドルを繋ぐ線とは何か。捜査を始めた新十郎の見たものとは。

 
 
 
 
     
     
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